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ふつうのコト

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2011年 09月 30日

9月11日のこと


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9月11日。
震災から半年の節目を被災地で迎え、もう半年たったんだという感慨もやはり特別なものがありました。
この日のことを日記風に記します。

この日はボランティアセンターの内外の草刈りと、近くの畑で農作業。
震災時刻の14時46分にはサイレンが鳴り響き、私たちは作業の手を止め、黙祷をささげました。



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これは草刈をしていた時、お隣ののりおさん(この界隈は同じ苗字が多いので、互いを下の名で呼び合う)が
差し入れてくれた、手作りの明がらす(あけがらす)。

明がらすというのは遠野地方のお菓子で、くるみ、ゴマ、米粉でできた素朴なお菓子です。
私は以前お土産用として市販されているものを食べたことがあって、
それはモソモソしていてちょっと苦手だったけれど、手作りのこれはしっとりしていてとても美味しかった。
ここでは、ご近所の皆さんがボランティアをほんとうに大切にして下さるのです。感謝。



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この日は仕事が早めに終わったので、バスで釜石市の中心部へ出かけました。
どうしても見ておきたかった写真展がこの日までの開催だったのです。

2時間に一本しかないバスだけれど、停留所でない場所でも、手を挙げれば停まってくれます。

ボランティアセンターから釜石市中心部までは、普通に車で行けば25分くらいだけれど、
バスだと何箇所もの避難所を経由するので一時間近くかかってしまいました。



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会場へ着いたのは、もう終了時刻の16時をとうにを過ぎていたけれど、
まだ多くの人が訪れていて、入場させてもらえました。

その写真展は、ご自身も被災された釜石市の写真館主、菊池新平さんが、
一台だけ持ち出して逃げたというカメラで、震災直後から撮り続けたというもの。

写真展とはいっても、巨大イベントテントに会議用テーブルをズラリと並べ、
そこにダーッと200枚あまりの写真を並べたものでしたが、
迫真の写真は本当に胸に迫るものがあり、涙ぐんで見ている人も。
私が一番胸打たれたものは、震災当日の夜、真っ暗な避難所で寄り添って過ごされる皆さんの写真でした。



帰りのバスを待つ間、市街地を歩いたのですが、
その光景には、正直、半年たっているのにまだこういう状態なんだ・・・と、ショックを受けました。


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ガレキの撤去は済んだものの、その先へ進みあぐねている苦悩が伝わってくる光景・・・
もしここを一人で歩いていたなら、辛さがさらに増していたと思う。

ボランティア仲間のヒロキは、自分も行きたいと言ってついて来たのですが、
今思うと私が心配で一緒に来てくれたんだなと・・・ごめんね、ありがとう。



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でも、何とか開業している医院もあり、そこからは確かに人の息づかいが伝わって来ました。



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復興はそれこそ何年、何十年という道のりになるでしょうが、ぜったい可能だと信じたい・・・
夕闇の迫る釜石の街で、あらためてそう思ったのでした。






撮影:9月11日      1~3枚目 釜石市 橋野町   3~7枚目 釜石市 只越町
OLYMPUS μTOUGH-6020
PENTAX K-7 + PENTAX DA 17-70/4

by ayaya55a | 2011-09-30 23:58 | 東日本大震災ボランティア


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