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ふつうのコト

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2010年 12月 10日

クリスマスを待つお菓子   ベラベッカ

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ベラベッカ・・・BERAWECKA・・・
聞きなれない名前かと思われますが、これはフランス北東部のアルザス地方のクリスマスのお菓子です。
キリストの生誕時のおくるみを模したと言われるこのお菓子。
おくるみのボタンにしたのは、スペイン産のアーモンド。マルコナ種といって、丸っこい形が可愛いでしょ?




クリスマスを待つお菓子   ベラベッカ_b0133447_21124137.jpg

こちらはちょっと華やかにドライフルーツやナッツを飾って。
このお菓子、実はドライフルーツやナッツがぎっしり・・・
洋ナシ、いちじく、プルーン、レーズン、オレンジピール、チェリー、アーモンド、クルミなどなど。





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12月に入ってから、私は時間があるとこれを焼いては寝かせています。
作ってからある程度時間が経ったほうが、味がまとまって美味しくなるんですよね。
こういう寝かせる系のクリスマスのお菓子というと、シュトーレンが知られていて、
今ではいろいろなケーキ屋さんやパン屋さんから出ていますが、
このベラベッカは、まだあまり知られてないのでは。
札幌でも、私が知る限り、伝統的なフランス菓子を作る数軒のパティスリーで出しているだけです。






クリスマスを待つお菓子   ベラベッカ_b0133447_20545899.jpgクリスマスを待つお菓子   ベラベッカ_b0133447_20553184.jpg













左:ベラベッカはアルザス語で「洋ナシのパン」という意味です。
ドライの洋ナシを少し水につけて戻すとちゃんと洋ナシを二つ割りした形に。これをふんだんに使います。

右:ガルニチュール(中に入れるもの)は全部たっぷりのキルシェ酒(さくらんぼのお酒)に漬け込んで、
シナモン、アニスといったスパイスも入れます。
直径40センチのたらいのような(笑)ボウルに漬け込んだガルニチュールと、
ライ麦粉と強力粉を半々に合わせて発酵させたパン生地。
なんと、粉の量の10倍のガルニチュールが入るんですよね~
まさにフルーツを粉でつなぐという感じ。

クリスマスを待つお菓子   ベラベッカ_b0133447_20555755.jpg

お酒やスパイスが香るオトナの味わいのお菓子。
薄く切っていただきますが、コーヒー、紅茶はもちろん、
ソフトで少し甘口のワインなんかにもよく合うかな。





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こういうお菓子は素材で味が決まってしまうので、
納得できる材料を揃えるのに一番手間と時間をかけました。

たとえばレーズンひとつ取っても、普通に出回っているトルコ産のではなく、
甘味がすっきりしているのにコクがあるスペイン産のものを取り寄せたり。
入手しにくいドライ洋ナシにいたっては、いろいろな方の手を煩わせて手元に届いたり、
そんなこんなでやっと作ることが出来たお菓子というわけです。

作ることが出来るというだけで感謝の気持ちがわいてくるのですが、
こんな気持ちになれるお菓子なんて、そうそうないですよね。

そういう気持ちを包むかのように、お菓子をひとつひとつプレゼント用にラッピングしながらクリスマスを待つ・・・
忙しいこの時期ですが、ほんとうに心豊かになれる時間です。

by ayaya55a | 2010-12-10 22:43 | 手作り洋菓子


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