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ふつうのコト

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2009年 11月 28日

ゆく秋を惜しんで・・・    和菓子 秋の山路・晩秋・もみじかるかん



道東シリーズの途中ですが、久しぶりに手作り和菓子を。
長丁場のシリーズではグルメを挿入すると効果的らしいのですが、私のはそんな計画的なものじゃないんです(笑)
仕事のお菓子作りの合間に、季節の和菓子を折々に楽しみながら作っているのですが、
なんだかんだでアップするタイミングを逃しているうちに、いつの間にか12月も目前に・・・!
せっかくの秋の和菓子、かろうじて秋の名残がある11月のうちに・・・と、いたって計画性のないアップです。



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これは練りきりで作った「秋の山路」

練りきりをぼかし染めにして、餡を包み形成します。
色で移ろう秋を、形で山路を、それぞれ表現してみました。




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このぼかし染めという技法がシロウトにはけっこう大変で・・・
2色の練りきりを少しずつずらして折り重ねて伸ばし、また折り重ねて伸ばし・・・
この作業を延々と丁寧に繰り返していくだけなんですが、ちょっとした加減で、ぼかしがただの縞目になることも。
これは一応ちゃんとぼかせたかな。写真のボケ技法を使って誤魔化しているのもちょっとあります(笑)






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こちらは高麗しぐれを使った「晩秋」

高麗しぐれとは、餡に求肥粉、上新粉などをまぜたものをそぼろ状にして蒸し固めた生地のことで、
豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、陶工が伝えた高麗餅が変形したものと言われています。
この高麗しぐれの生地を薄く作り、それに粒餡ベースの羊羹生地をやはり薄く流してから、巻いて固めます。


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赤と黄色の羊羹生地を紅葉と銀杏の型で抜いたものを散らし、秋の終わりの季節感を添えました。
お上品ぶって(笑)細めに作ったため、すごく巻きにくくて、しぐれ生地が少し崩れてしまいましたが・・(汗)

お味はなかなか品のよい甘さで口当たりもしっとり・・・あら、これはほんとうにお上品かも?(笑)
これなら生地や羊羹の色、上に散らすものなどの意匠を変えて、
あんなものもこんなものも、いろいろ出来そう・・・出来るわきっと!
・・・と、創作イメージだけはどんどん広がる私ですが、その前にまず、もっと巻きが上手くなるように練習しなくては(笑)







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そして最後のこちらは、素朴なもみじかるかん。

かるかんを漢字で書くと軽羹・・・
雪のように白くてふわっとした食感にふさわしい名前です。
江戸時代から鹿児島銘菓として伝わっていて、
島津藩主は婚礼や年始、賀儀などの重要な折にかるかんを用いたといいます。




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市販のかるかんは、生地を蒸しただけのものと、中に餡が入っているものとがあるのですが、
ここでは、小さなお饅頭の形に蒸し上げ、秋らしくねりきりのもみじをひらり。
さらに秋らしさを・・・ということで中の餡を紫餡にしてみました。






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せっかく北海道に住んでいるのだから紫ジャガイモで餡をと思い、そちらも試作してみたのですが。
水分量が多くてきれいな紫色にならず、紫サツマイモを使うことに。
紫サツマイモは加熱するとこのように鮮やかな紫色になるのですが、甘さはむしろ普通のサツマイモよりあっさりめ。
卵白や山芋が入って、ほんとうにふわふわ、ムチムチのかるかん生地。
蒸したての熱々をパクッと頬張ると、
そのふわふわの生地と、あっさりした紫サツマイモの餡がひとつになって、ほっとする素朴な美味しさ。
ゆく秋に飽きの来ないお味です。

by ayaya55a | 2009-11-28 21:28 | 手作り和菓子


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